親子読書のすすめ

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親子読書のすすめ

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読み聞かせは「愛の時間」

学校図書館アドバイザー/県p連・親子読書推進委員 五十嵐絹子

 今、自分の子育てを思い返すと、勤めを持ちながら、心の余裕もなく、ただがみがみと子どもをせき立てる毎日でした。ある時、子どもをひどく叱りつけながらふと鏡を見ると、そこには目をつり上げた夜叉が映っているではありませんか。我ながらギョッとして、こんな母ではいけないと反省しても、また同じような日々を繰り返していました。
 でも、夜寝る時の絵本の読みきかせだけは毎日の習慣にしていました。絵本を読んで早く寝せつけ、残った仕事を片付けたい気持ちが半分、学校司書という仕事柄、絵本を「読んであげねばならない」義務感が半分というのが本音でしたが…。

がみがみ母さんの罪滅ぼしタイム

 それでも、親子揃って布団から顔だけ出し絵本を開くと、まぬけなオオカミに笑い、はだしで山を駆け下りる豆太にはらはらしたり、子ぶたの知恵に喜んだり、オニに感動したり、共に絵本の世界を楽しみ、一緒に眠りにつくのでした。いつも優しいよい母でいる事は難しいけれど、絵本を読むうち、自分を取り戻すほっとする安らぎの時間になり、がみがみ母さんの罪滅ぼしタイムにもなっていたような気がします。
 その子どもたちも中学生や高校生になり、本棚に溢れている絵本ももう出番がなくなりました。ある時、まだ小さい姪たちに絵本を上げようと本棚から抜き出していると、娘が飛んできて「えー、それだめ、その本やらないで」と私の手から絵本を取り上げて本棚に戻すのでした。どれも角がすり切れ古びていましたが、毎夜読んで貰った絵本たちは、娘にとって幼い日の思い出が詰まった大切な心の財産だったのでしょうか。娘たちも母親になりました。昔の絵本がまた登場し、毎夜両脇に息子たちを寝せながら読みきかせをしています。形まで同じです。自分が育てられたように子育てをする、という言葉を思い出します。

読書習慣が学力をアップ

 椋鳩十氏が「二十分間親子読書」を提唱したのは今から五十年前。「子どもが本を読むのを聞いて一緒に読書を楽しみましょう」というものでした。テレビが普及し始めた頃です。時代が進み、いま、「親子読書」の大切さがさらに切実な意味合いを持ってきているような気がします。
子どもたちの生活の周辺には、テレビやゲームの映像文化が溢れ、ネットやケータイなど電子機器に囲まれ、身も心も時間も奪われている現実があります。子育てがいっそう難しい時代ではないでしょうか。このようなデジタル時代だからこそ、父や母が生の声で、素朴に語る物語の空想世界に浸る読みきかせがとても貴重なことに思われるのです。本を真ん中にして親子のコミュニケーションもはずみます。
 国際的な学力調査(PISA)で、本をよく読む生徒と読まない生徒の「読解力」の平均点数が二十五点以上高いことが分かりました。読書習慣が文章を読み解く力と密接に関係しているのです。家庭で読みきかせをしてもらった子どもは、読んで貰わなかった子どもより、読書への興味は約三十ポイント、学校の授業の楽しさは約二十ポイント高いという調査結果もあります。
 日々慌ただしく過ぎていき、子どもが育つ時間はあっという間です。自分の子ども時代をふり返っても何と短い限定期間であったことか。けんかをしたり、叱られたりいろいろあっても、親子で絵本に浸る時間は優しく気持ちを解きほぐしてくれます。親子一緒に本の世界で遊ぶ嬉しさ…。読みきかせは「愛の時間」なのです。一日、わずか二十分だけでも親子で本を楽しんでみてはいかがでしょうか。

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